「伊庭の坂下し」は滋賀県の無形民俗文化財にも選定されている、長い歴史を有する伝統行事です。

毎年5月4日に氏子の若衆が繖峰三神社の大鳥居まで神輿を引きずりおろす神事であり、800年以上も続けられていることから「近江の奇祭」のひとつにも数えられています。

今年2024年も5月4日に伊庭の坂下しが執り行われました。

元来、三基の神輿を引きずりおろす習わしですが、本年も昨年に引き続き、おろされた神輿は一基でした。

神社近辺に屋台などが立ち並ぶことはないため、いわゆる「縁日」で連想されるようなお祭り感はありませんが、それでもとても大勢の方が神輿とそれを担ぐ若衆の雄姿を見に、足を運んでいました。

威勢の良い掛け声と、神輿が地面と擦れる音、坂下しを見守る観衆の声援、あるいは発破などで神輿が進むごとに場は大いに賑わいました。

毎年催される祭礼ですので、興味がそそられた方はまた来年、足を運んでみてはいかがでしょうか。

なお、参道は大変急です。難所とされる地点に辿り着くのも一苦労です。
普段から山歩きに慣れておられる方々にとっては大した道のりではなくとも、運動不足が懸念されるような方々は深い注意が必要であるものと考えられます。

手をすりむいたり足をひねったり挫いたりする可能性がありますし、アリやクモ、ヘビなどと出会う可能性もあります。
実際に当日も少なからず怪我を負った方はおられます。
見学に際しましては長袖、長ズボン、運動に適した履き慣れた靴の着用、そして虫よけスプレーや水筒などを持参すると安心かと思われます。

繖峰三神社は、こちら↓